夏に向けて「体を作りたい!」人のランニング技術 まずは効果が高く、無理なく走れるフォームを

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さまざまな有酸素運動の中でも、ランニングはさらにうれしい効果が期待できます。

ランニングは体の上下動が大きく、一度両足が地面から離れて体が浮くため、着地の瞬間に体重の2~4倍程度の衝撃が足裏に加わります。

骨は絶えず骨を破壊する細胞(破骨細胞)と骨を作る細胞(骨芽細胞)が働いて、新陳代謝されていますが、ランニング時に足裏にかかる衝撃で骨芽細胞の働きが促されることがわかっています。これにより骨がもろくなる病気である骨粗鬆症予防が期待できます。

またこの上下動の振動によって大腸に刺激が加わり、内容物を送り出す蠕動(ぜんどう)運動と、分節運動が促されるため、便の滞留時間が短くなって便通が改善されますし、腸内環境が整いやすくもなります。腸内環境が整えば肌荒れをしにくくなり、免疫力も向上します。

健康上も美容上も大変有益なランニングは、最も手軽にできる有酸素運動です。自転車のように特別な道具を必要とせず、水泳のように特別な場所に移動する必要もありません。体1つあればいつでも実行できます。

とはいえ、いきなり始めるのにはリスクが伴います。

まず着地時に受ける衝撃の問題です。

着地衝撃は先に挙げたような効果もありますが、一方で、歩行と比べて着地時に足首、膝などの関節などにかかる負担も大きく、もろ刃の剣ともいえます。硬くて凹凸のある屋外で走る場合は、捻挫にも気を付けなければなりません。

また、歩行よりもスピードが出て運動強度も上がるため、エネルギー消費が多くなりますが、その反面、急に止まることが難しく、歩行者や自転車に衝突するリスクもあります。

特に気を付けなければならないのは、運動の終わり際です。

走っている間は心臓が拍動数を増やして血液を筋肉に送り、筋肉は伸び縮みをすることで血液を心臓に戻しています。ところが走るのを急に止めると、心臓が速い拍動を続ける一方で、筋肉が血液を戻さなくなるため、心臓の血液量が不足し、大きな負担がかかってしまうのです。

“ランニング中に足を止めてはいけない”といわれる理由がこれです。

安全かつ効率よく走る方法

最後に、これまでの話を踏まえてランニングのリスクを最少限に抑え、効果を最大限に引き出すポイントをお伝えします。

最初は安全性の高いウォーキングから始めて、筋肉や関節、心臓や肺などを慣らしましょう。30分程度のウォーキングが習慣化できたら、5~10分のランニングから始め、徐々に時間を増やします。

その際も必ずウォーミングアップとして5分程度ウォーキングをし、最後にクールダウンとして5分程度ウォーキングを行いましょう。

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