前述の三田ガーデンヒルズとワールドタワーレジデンスのように、「都心・駅近・タワー・大規模・ファミリータイプ」は資産価値が高い。マンションの資産性が取り沙汰されるタイミングは価格の上がり方が早いときに集中しやすい。
2013年のアベノミクスによる金融緩和がその第1弾で、コロナ禍の「もう1部屋需要」が第2弾、今回の好立地の新築高額大規模物件が第3弾で、この11年の間に3段ロケットのような効果があったと考えられる。
2024年3月時点の中古マンション単価は、2012年平均と比較して、都心3区で240%、東京都で204%、首都圏全域で199%となり、ほぼ2倍に値上がりした。首都圏では山手線から放射線状に鉄道が延びており、都心3区(千代田区、中央区、港区)にオフィスの半分が集中するために、駅ごとに相場上昇率が大きく異なるということにはならない。相場が上昇するときは、どこでも同じように上昇するのだ。
局地的に価格が上がるのは駅前大規模再開発と新駅
例外として局地的に価格が上がるのは、駅前大規模再開発と新線・新駅だ。麻布台ヒルズは、神谷町駅と六本木一丁目駅を地下で直接つないでいるのと、200億円以上という最上階のペントハウスが話題を呼んだ。最近はこれに加えて、「都心・駅近・タワー・大規模・ファミリータイプ」の好立地新築が出てくると周辺相場を押し上げる。
都心の話をしてきたが、それ以外のエリアとの比較で市場を正確に理解しておこう。
不動産会社が共有している成約データを集計した結果はレインズタワーというサイトでデータが公開されており、都心3区、東京都、首都圏というエリア区分で集計されている。2023年に相場の天井が抜けたので、2022年の月次平均値と直近の半年(2023年10月~2024年3月)の平均を比較してみる。
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