日経平均は4万1000円が今年の高値となりそうだ 今後上昇しても3月高値を抜くことは難しそう
なお、日本企業の半導体などハイテク企業の決算発表も大半が終了。あとは14日のアルバックや、大御所のソニーグループなどを残すのみだ。22日のエヌビディア決算発表まで「株価上昇のバトン」をつなぐことができるかが、注目される。
今後は「円高メリット銘柄」や「低PBR中型株」に注目か
では、最後に今後の物色動向を考えてみよう。年後半に為替が緩やかに円高に向かうならば、「円安メリット銘柄」への投資比率を減らし、「円高メリット銘柄」へ投資することも検討したい。
これを考えるうえでではNT倍率に注目するのがよさそうだ。というのも、同倍率は、円安メリット銘柄の構成比率が高い「日経平均株価(N)」が分子、円高メリット銘柄の構成比率が高い「TOPIX(T)」が分母となっているからだ。倍率が大きくなればなるほど、日経平均がTOPIXに対して相対的に上昇していることを示す(倍率が低くなる場合はその逆)。
年初からのNT倍率の動きをみると、1月5日(13.94倍)から3月4日(14.82倍)まで上昇したものの、直近(5月9日:14.03倍)と、すでに3月4日をピークに下落傾向であり、年初の水準に戻りつつある。ただ、NT倍率の2022年からのレンジは、高値14.5~14.8倍、安値13.6~13.5倍だ。これまでの経験では、レンジ上限から下限に3~5カ月でシフトしていることから、NT倍率は今後13.5倍程度まで下落する可能性もある。
もちろん、再度、半導体製造装置などのハイテク株が集中物色されれば、NT倍率はいったん反発する可能性もある。だが、年内、とりわけ株価下落時には、半導体製造装置・半導体関連株の構成比率が高く、円安メリットが大きい日経平均の下落率が大きくなりそうだ。
ハイテク株が日本株を牽引しているように見えるが、実は日本株は2021年初から2024年の現時点まで、約3年半近くもバリュー株(割安株、低PBR銘柄)が、グロース株(割高株=成長株、高PBR銘柄)のリターンを相対的に上回る「バリュー相場」が続いている。
しかも2023年からは「東証の低PBR改革」によって、低PBR銘柄が買われ、バリュー相場が一気に加速した。これによって低PBR銘柄への投資は、徐々にハードルが上がり、PBR1倍割れなどの低PBR銘柄がかなり少なくなったことも事実だ。今後は「低PBR大型株」から「低PBR中型株」へと物色がシフトすると予想している。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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