日経平均は4万1000円が今年の高値となりそうだ 今後上昇しても3月高値を抜くことは難しそう

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まずテクニカル面をみると、日経平均は3月22日のザラ場高値4万1087円から4月19日のザラ場安値3万6733円まで4354円下落して、年初(1月4日ザラ場安値3万2693円)から急上昇した上昇相場が大きく崩れてしまった形になっている。

株価上昇によって、世界のAI・半導体銘柄の今後の業績予想(ガイダンス)への期待値(ハードル)が想定以上に高まり、その高すぎる期待値を少し下回っただけで売られ、株価が急落した銘柄が目立った。

直近では、株価下落で期待値が下がるなかで、日米のAI・半導体関連銘柄の今後の業績予想については、まだら模様ながらも好感する形で、一部ハイテクの株価は反発している。だが、今後は3月の高値近辺で購入、含み損失を抱えた投資家の「やれやれ売り」が控えており、上値は重いはずだ。

また、株価上昇には予想PERの上昇が必須だ。だが米国株や日経平均の予想EPSは伸び悩んでいる。しかも年後半にかけて、日本は追加利上げ観測、アメリカでは市場が期待していた年2~3回の利下げ機運が低下しており、予想PERの上昇は厳しい環境にある。 

為替も円高方向へ、円安による上方修正期待剥落の懸念

2つ目の理由は、為替のドル高円安がさすがに止まったとみていることだ。ドル円相場は円買い介入があったとされる1ドル=160円が高値となったもようだ。今後、年後半にかけては日米の金融政策の方向性などから日米金利差縮小が緩やかに進み、ドル高円安が修正されるとみる。これによって、当面は円安恩恵企業の決算に対するさらなる上方修正期待が剥落するとみている。

まず、日銀は年後半のどこかで利上げするとみている。利上げの可能性は7月から9月が高いのではないか。

なぜなら①賃上げ効果が発現、実質賃金のプラスが明確となる(3月までは24カ月連続でマイナス)、 ②現在マイナスの需給ギャップがプラスに転じる、 ③上記の①と②によってデフレ脱却宣言が7月から9月の間に行われる、 ④インフレ率は2%前後で推移する、 ⑤サービス価格は現在の前年比+2.2%程度で推移する、など、日銀が利上げの前提条件としているいくつかが満たされる可能性があるからだ。

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