「日経平均4万円予想は保守的」と断言できるワケ 2024年の高値を一体いくらに見ればいいのか

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日経平均の最高値は、ベルリンの壁が崩壊した1989年につけた3万8915円。当時の日本株はバブルだったが今はバブルではない。「日経平均4万円予想」は保守的かもしれない(写真:ロイター/アフロ)

まずは、ほぼ1年前である2023年の大発会(1月4日)から振り返ってみよう。この日は、2022年11月まで2万8000円台だった日経平均株価が年末にかけて2万7000円を割ってしまい、さらに2万6000円すれすれまで下がって迎えた新年だった。

もちろん市場は反発を期待していたわけだが、結果はどうだったか。2022年末比で377円安の2万5716円86銭、一気の2万5000円台で引けた大発会になったときには、市場は意気消沈の極みだった。

それがどうだ。半年後の7月3日には約30%高、8000円超上昇の3万3753円となり、33年ぶりの高値をつけるのだから、相場とは面白いもので、多くの投資家を虜にするわけだ。

2024年の大発会は1年前と大きく違う展開に

2024年の大発会でも一瞬、2023年のことが頭をよぎった投資家も少なくなかったのではないか。いきなり元日に能登半島地震が発生、翌日は羽田空港での衝突事故と続いたあと、アメリカでは新年早々アップル株が3%以上も下落した。

同社株を含んだ「マグニフィセント7」と称されるビッグテック株の崩壊がささやかれる中、日経平均がいきなり770円安となったときには、多くが「今年もか!」と思ったはずだ。しかし、今回の日経平均は前年末比770円安のあと600円以上も戻し、TOPIX(東証株価指数)に至ってはプラスで終了、前回との違いを見せつけている。

4日の新年賀詞交換会における大手証券3社のトップの相場観が公開されたが、丸めて言えば3社とも日経平均の今年の高値目標は4万円であり、日本銀行のマイナス金利解除は震災の影響を考えて後ずれし、賃金上昇は物価上昇を上回るだろうとの意見でほぼ一致している。

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