BMW、ハーレー、トライアンフ輸入バイクの現在地 350ccから2500ccまで注目モデル一気乗り

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BMWのアドベンチャーモデル「R1300GS」

BMW「R 1300 GS Option 719 Tramuntana」の外観
BMW「R 1300 GS Option 719 Tramuntana」の外観(筆者撮影)

まずはBMWのR1300GSから紹介する。いわゆるアドベンチャースポーツモデルで、「R80G/S」(1980年)にルーツを持つ。最新世代のGSはオン/オフ問わない高い走破性能に加えて、各所に電子制御技術を用いて滑らかに走る。歴代のGSシリーズに乗ってきたが、R1300GSでは洗練度が格段に上がった。

一見すると大柄なボディに大径タイヤでシートも高い位置にあるから乗り手を選びそうだ。しかし、試乗した「R 1300 GS Option 719 Tramuntana」は、速度に応じて前後サスペンションの長さを変える「アダプティブ・ビークル・ハイト・コントロール」を装備するため抜群の足つき性能が得られた(ライダーである筆者は170cm/67kg)。

R 1300 GS Option 719 Tramuntanaのフロントまわり
R 1300 GS Option 719 Tramuntanaのフロントまわり(筆者撮影)

シート高は820~850mmの間でアクチュエーターにより制御される。停止時は最短位置でスタンバイして乗り降りするライダーをサポートする。そして速度を50km/h以上に上げると、今度は850mmへと車高を上げてたっぷりとしたホイールストロークで大らかな乗り味を提供してくれる。

このアダプティブ・ビークル・ハイト・コントロールは、従来型から踏襲する電子制御ダンピング機構とも統合制御される。荒れた路面ではしなやかに凹凸を受け止めつつ、車体を大きくリーンさせたダイナミックな走りでは減衰特性を高めて対応する。この二面性は、大陸でのロングツーリングを想定したアドベンチャースポーツモデルならではの特性だが、じつは日本での日常使いにもメリットがある。

車両後方に取り付けられたパニアケース
車両後方に取り付けられたパニアケース(筆者撮影)

試乗車の車両重量は258kgと見た目より軽量ながら、ここに車両後方左右のパニアケースと、試乗車には装着がないが車体後方のトップケースに荷物を満載し、さらにタンデムシートにライダーを乗せた2人乗りでは350kgに迫る重量級に。ひとたび停車時にグラッときたら立ちゴケしてしまいそうだが、アダプティブ・ビークル・ハイト・コントロールによって、身長170cmの筆者であっても片足なら地面にべったり、両足でも踏ん張りがきく位置まで接地するので安心感がグンと高まる。

1300cc水平対向エンジンの実力

最高出力145PS、最大トルク149N・mを発揮する1300cc水平対向2気筒エンジン
最高出力145PS、最大トルク149N・mを発揮する1300cc水平対向2気筒エンジン(筆者撮影)

搭載する1300cc空冷/水冷併用水平対向2気筒は、145PS/149N・mを発揮する。トランスミッションは6速で、クラッチ操作なしにシフトアップ/ダウンが行える「ギアシフト アシスタント プロ」を装備する。肝心の乗り味はいい意味で低回転域での荒々しさがなくなった。3000回転付近からは4気筒エンジンに近い滑らかさが全面に出る一方で、ボクサーならではの鼓動もゆっくり流しているときには感じられた。価格は345万9000円。

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