タイヤサイズは銘柄含めて2車共通。ただ、乾いた排気音はX350が数段上。しかも低いギア段で高回転域まで引っ張ったとしても法定速度だから安心感も高い。価格はX350が69万9800円、X500が83万9800円。
トライアンフ「Rocket 3 Storm R」
最後はトライアンフのRocket 3 Storm R。見た目から受けた第一印象は“ほぼエンジンのようなバイク”。直線での速さを競うドラッグレーサースタイルの過激な1台だ。搭載するのは直列3気筒2458ccエンジンで182PS/225N・m、車両重量は317kgを誇る。
筆者は前身であるRocket Ⅲ(2004年)にも試乗していたが、こちらは同じ直列3気筒ながら排気量は若干小さく2294ccで142PS/200N・m。ただ、最新のRocket 3 Storm Rは過去のRocket Ⅲよりもあらゆるスペックが上まわっているのに、荒々しさはRocket Ⅲが際立っていた。スロットルを開ければドーンと加速、リーンさせるにもしっかりとしたニーグリップがないとフラついてしまう。
その点、Rocket 3 Storm Rはクセが少ない。パワー&トルクともに力強いのに電子制御スロットルと、緻密なトラクションコントロール制御のおかげで極めてスムースだし、大容量の油圧クラッチもそれほど重くない。大型バイクに乗っているライダーならすんなり乗りこなせそうな印象だ。
もっともこれは印象だけ。実際はものすごいマシンだった。スムースに加速しているなと感じたのは先の電子デバイスのおかげで、JAIA二輪試乗会のために持ち込まれた新車のRocket 3 Storm Rは、筆者が試乗した2日目最終枠の時点で、四輪のスポーツモデルが履くほど太い後輪タイヤ(240/50 R16 V)には早くも摩耗の兆候が見られた。もっとも4000回転で発する最大トルク225N・mを後一輪だけで受け止めるのだから無理もない。
BMW、ハーレーダビッドソン、そしてトライアンフと多彩な輸入二輪車に乗り、四輪車以上にお国柄が表現され、ブランド哲学が貫かれているなと感じた。筆者は、16歳から二輪車に乗り続けているが、今回の試乗を通じ改めて安全に1日でもライダーを続けるためには体力維持が大切なのだと痛感。ヘルメットの顎紐をしっかり結んで、短距離であっても胸部プロテクターを装着し、これからもライディングを楽しんでいきたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら