2ピース目は、レモンを絞り、しろかつ用に提供されたソースをそっとかけていただきます。ソースの粘度が低くあっさりした味わいで、味変しつつも軽やかさはしっかり残って楽しめます。これでご飯が進まないわけがありません。
一緒に盛られている網焼きみそポークも、香ばしさとしっかりした味付けで無限にご飯が進みます。その上、とろろとお新香もあればなおさら止まりません。おかわり無料に甘えて、大盛りご飯を追加でいただき、最後はテールスープでさっぱりと締めました。
「牛たん×とろろ」はねぎしが元祖?
さて、ここであらためてねぎしの紹介です。ねぎしは1981年に東京は新宿・歌舞伎町で産声を上げました。創業当時は牛たんをつまみとして楽しんでもらうような向きがあったものの、15年ほどで食事メインの店へとシフトチェンジしたそうです。
ねぎしフードサービスの中山剛さん(常務執行役員事業部長兼購買担当)によると、今ではお酒を飲む人はおおむね3%程度。多くの人が、牛たんを食事として楽しむ店としてねぎしを利用していることが分かるデータです。
食事の点で、もともと牛たんが名物として知られる仙台では、牛たんとテールスープ、さらに麦ご飯といった組み合わせはポピュラーだったものの、そこにとろろを加えた点にねぎしの斬新さがある、と中山さん。肉だけでは罪悪感を覚えがちな人に対する、ヘルシー感の訴求が狙いにあったそうです。
また、中山さんは「ご飯をよりおいしく食べていただくという意味でもとろろは重要です」と話します。このようにねぎしでは、メニューを考える際に「いかにご飯をたくさん食べてもらえるか」を重視しており、その思いは食材選びにも表れています。
例えば、多くの牛たん店では比較的脂の乗りが良く、柔らかいアメリカやオーストラリア産を使っているところが多いのだとか。一方、ねぎしではご飯と合わせやすい、あっさりめの味わいが特徴のウルグアイ・アイルランド産の牛たんを多く使用しているそうです。
店を訪れて驚かされた提供までのスピードについて中山さんに聞いたところ、一つの基準としてオーダーから8分以内に提供するようにしていて、全体のうち9割超のケースで守れているといいます。平均値を取ると4分30秒ほどだといい、また驚かされました。
以前は牛たんを焼くのに炭火を使っていたそうですが、10年ほど前にガスで焼く形に変更したことも、高速化に影響しています。炭の良いところである高い温度や強い火力をガス調理でも維持できるよう、特注で調理器具を開発したそうです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら