キューバは被曝者治療の経験を持つ医師団を日本に派遣する用意がある--アレイダ・ゲバラ氏に聞く

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キューバは被曝者治療の経験を持つ医師団を日本に派遣する用意がある--アレイダ・ゲバラ氏に聞く

東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故は、はるかカリブ海に位置するキューバにも大きな衝撃を与えた。実は、キューバにとって日本は特別な場所だ。1959年には、キューバ革命の指導者チェ・ゲバラ氏、2003年にはフィデル・カストロ前国家評議会議長が原爆の被害を受けた広島を訪れ、戦争や核兵器の悲惨さを目の当たりにしている。現在の日本は、キューバ人の目にはどのように映っているのだろうか。震災後に来日したゲバラ氏の長女で、小児科医でもあるアレイダ・ゲバラ氏に聞いた。

--08年、10年に次いで3度目の来日となりますが、今回の目的は。

津波と地震のニュースを聞いたとたん、すぐに日本のキューバ大使館に連絡をして、すべての日本人の知人に対して哀悼の意を伝えると同時に、自分で何かできることがあればすぐにやると伝えて欲しい、と告げました。その後、キューバ大使館を通じて、何人かの友人が日本全国での講演会などを企画してくれています。

--被災地も訪問されたそうですね。

東北の被災地は2カ所回りました。1つは南相馬市で、桜井勝延市長ともお会いしました。南相馬は約半分が福島原発の半径30キロメートル以内で避難区域に指定されていますが、話によると、放射線量は半径30キロ圏外でも風向などによって高いところがある。避難区域外のところでは、たとえば子どもにずっとマスクを着用させるべきか、外出させないようにするべきか、母親たちが大変心配している、と市長も悩んでいました。

キューバでは、過去に原発事故のあったチェルノブイリの子どもたちを、キューバに招いて治療したという経験もある。その経験から、たとえば子どもたちに倦怠感などの兆候が見られた場合、すぐに血液検査をするべきだ、と助言しました。その際、必要であればキューバに来ていただくなり、キューバから経験を持つ医師団を派遣するなど、どんな形でも協力するとも伝えました。私たちはできるかぎりの協力をしたいと考えています。

もう1カ所は石巻市です。すべての地域を回ることはできませんでしたが、街の様子は言葉を失うほど酷いものでした。改めて津波のすさまじさを感じました。亀山紘市長はと、復興は2年程度ではとてもできない、被災した家屋が多すぎる、と言っていました。もっと多くの人や子供たちと話をしたかったのですが、滞在時間が短く、とても残念に思います。

石巻市に対しては、キューバ大使館および日本キューバ・シガー教育協会を通じて、また私個人からも寄付をしました。石巻は400年前、初めてキューバを訪れた支倉常長(仙台藩士)ゆかりの地ということで、非常に象徴的であり、キューバと日本の友好のあかしとして寄付をしました。このほかにも、キューバ音楽のCDを2種類、1つは子供向けのCDをお渡ししました。本当はもっといろいろできればいいのですが。

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