キューバは被曝者治療の経験を持つ医師団を日本に派遣する用意がある--アレイダ・ゲバラ氏に聞く
--今回は広島と長崎の平和記念式典にも初めて参加されるそうですが、この時期に式典に参加される意義は。
今回、私は反戦だの、反核だのを訴えに来たわけではありません。そういうことを伝えるのは私ではなくて、むしろ身を持って体験した日本人の役目ではないでしょうか。日本人は平和や反核ということについて、より強く訴えていくべきだと思います。
私の父が広島を訪れたとき、ハバナにいた母へ絵はがきを送りました。そこには「平和のためにさらに強く闘うには、こういう場所を訪れなければならない」と記してありました。
--カストロ前議長は長らく「反核」を掲げてきました。09年には米オバマ大統領が「反核」を訴えたことなどが評価されてノーベル平和賞を受賞しましたが、カストロ前議長にもチャンスはあるとお考えですか。
私たちにしてみれば、オバマよりずっとノーベル平和賞に値しますよ(笑)。キューバ革命を起こして、団結を説いてきた時点ですでにその価値があるでしょう。フィデル(・カストロ)は長らく人々との団結、共生を説いてきました。彼は過去に、キューバ人はラテンアメリカ人だけではなく、アフロラテンアメリカ人の国である。ゆえに、キューバはアフリカに対して道義的債務がある、と話したことあります。
引退前は核戦争に対して声を上げて意義を唱え続けてきましたが、残念ながらそれが世界で報道されることはありませんでした。核兵器が人々の及ぼす危険は甚大です。だからこそ、私がこのように広島や長崎を訪れることで、キューバが反核国であることを訴えることが重要です。いかなる国も核兵器を持つことが許されてはならないのです。