成長の終焉か「5つの数字」で見るテスラの栄枯盛衰 値下げは実らず、超高収益体質も過去のものに

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株式市場からの評価にも表れている。テスラの時価総額は2021年11月に1兆2000億ドルを超えていたが、決算発表直前には5000億ドルを割り込んだ。2024年に入ってからだけでも約3割増加したトヨタが急速に差を詰めてきている。

もっとも、決算発表後にテスラの株価は急騰。トヨタの時価総額の差は、足元で2000億ドル超、日本円にして30兆円以上ある。自己株を除外した、より厳密な時価総額で比べれば、40兆円近くある。なお、テスラに対する株式市場の期待は高い。

テスラの革新性は疑いないが期待先行も事実

一般的にEVは電池の生産コストが重く、利益が出しづらいとされる。ガソリン車を作ってきた従来の大手自動車メーカーだけでなく、雨後の筍のように出てきた新興EVメーカーもほとんどがEV事業の赤字に悩まされている。

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落ちたとはいえ、5%台の営業利益率を出すテスラ。大型車体部品を一体成型する「ギガプレス(ギガキャスト)」と呼ぶ鋳造技術を用い、生産工程や部品数を少なくすることなどで合理化を追求する革新性はやはり侮れない。

とはいえ、第1四半期の純利益を4倍にしてベースでPER(株価収益率)を計算すると軽く100倍を超える。依然としてテスラの株価は期待先行といえる。テスラの失速とトヨタの躍進が続けば、時価総額逆転も近いかもしれない。

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