EVでのライバルも台頭している。中国BYDだ。中国では、政府のEV普及策によって新エネルギー車(NEV、EVとプラグインHV=PHV)シフトが進んでいる。それを追い風に急成長してきたBYDは、2023年10~12月にはBYDがEV販売でテスラを逆転した。
そのBYDも2024年1~3月は前四半期から大きく台数を減らした。中国市場は春節の影響で、1~3月は自動車販売台数が落ちるのが普通だ。が、世界的なEVシフトの変調の影響はBYDも受けている。逆風のEV市場でテスラとBYDの首位争いが激化することは間違いないだろう。
BYDが有利な点と不利な点
EV専業のテスラとは違ってBYDはPHVも生産・販売している。総販売台数ではBYDがテスラを大きく上回る。EV市場が厳しくてもPHVを売ることができるBYDが有利な面がある。反面、中国企業であるBYDには、欧米市場へのアクセスの難しさもある。
EVのパイオニアとして先頭をひた走ってきたテスラだが、競争環境の激化やEVシフトの減速によって、今後も“覇者”として君臨し続けられるかは不透明。そんな中で注目されるのが新型車の導入だ。
決算説明会ではイーロン・マスクCEOが、2025年の早い時期に新モデルを投入すると表明したことで、株価の急反発につながった。テスラが本当に輝きを取り戻せるかは、新モデルを予定通り投入し、期待通りにヒットさせられるかにかかっている。
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