「もう不況は来ない」アメリカで広がる強気な理論 経済の常識「好況と不況の循環」は消えた?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(写真:Yuki Iwamura/Bloomberg)

近代史の大部分において、最も豊かな国々においてさえも、経済の拡大と暴落はあたかも四季のごとく周期的に繰り返されてきた。

しかし、経済学者やウォール街の著名なエコノミストの多くが、自分たちが学校で学び、実際に目撃してきた手に負えない景気循環は、本質的に以前よりおとなしい野獣に姿を変えたのではないか、といった議論を提起するようになっている。

落ちることのない周回軌道「衛星」理論

投資会社ブラックロックで約3兆ドルの資産を運用するリック・リーダーもその1人だ。

「アメリカ経済がどのような着陸を見せるかに関して多くのことが語られている」。昨年夏、リーダーはクライアントに宛てた文書で、アメリカ経済はクラッシュするのか、それとも低インフレ、低成長、比較的低い失業率の「ソフトランディング(軟着陸)」を達成するのか、という問題をめぐって一般に用いられている「着陸」の比喩を持ち出して、こう続けた。

「だが、1つ心にとどめておくべきことがある。それは、衛星は着陸しないということだ。(アメリカのような)現代の先進国経済に対する例えとしては、こちらのほうが適切かもしれない」。要するに、経済の落ち込みは今後、より安定した軌道の中で起こるということだ。

外部からの混乱(経済学者が「外因性ショック」と呼んでいるもの)が起こったり、インフレ率の再拡大を受けたFED(連邦準備制度)の引き締めで景気が後退したりする展開とならなければ、現在のような旺盛な景気拡大局面が、月単位ではなく年単位で続く可能性があることを指し示す証拠もそれなりにある。

次ページ景気循環論は古い経済に基づくモデル
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事