「もう不況は来ない」アメリカで広がる強気な理論 経済の常識「好況と不況の循環」は消えた?

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商業用不動産業界関係者の間では、オフィス空室率の上昇が地域経済や政府予算に及ぼす悪影響は始まったばかりに過ぎない、といった声も聞かれる。

それでも、JPモルガンのケリーは、アメリカの景気拡大が今後も長続きし混乱もあまり生じない、と考えられるさまざまな根拠を挙げている。まず、大恐慌後に導入された連邦預金保険制度により、銀行の危機や破綻が激減したこと。

製造企業の在庫水準情報が大きく改善したことで在庫サイクルが「飼い慣らせる」ものとなり、大量解雇につながりかねない需給のミスマッチを防げるようになったこと。

さらにケリーは、国際貿易の拡大によって内需鈍化の影響が相殺されるケースが増えている、とも指摘する。インターネットのおかげで、企業は世界中から顧客を見つけられるようになった。そして、サービス分野の成長により「経済の安定度が増し、金利の影響を受けにくくなったことが重要だ」と結論づける。

アメリカ経済は世界経済へと化す

市場アナリストの中にはビアンコ・リサーチのジム・ビアンコのように、アメリカ経済はそのダイナミズム、多様性、規模において、世界経済そのものに似てきたと考える者もいる。世界経済は通常、生産に巨大なショックが生じたときにしか縮小しない。

世界金融危機と新型コロナ禍は、わずか10年の間隔で起こり、世界的な景気後退を引き起こした。この事実は、まれにではあったとしても、こうした大混乱が偶然連続して起こる可能性がないわけではないことを示している。

つまり、好況が長続きする保証はない。その一方で、新型コロナ禍によって記録が断ち切られるまで、およそ30年間不況とは無縁だったオーストラリアのような例も存在する。

(執筆:Talmon Joseph Smith記者)
(C)2024 The New York Times

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