都心部より「地方で起業」がメリット大の理由4つ 起業家の育成やベンチャー企業の支援が必要

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いままでは、大企業や外資の工場などを誘致することが、地方活性化のためのソリューションの1つでした。そのことで実際に多くの自治体で雇用や人口が増加しており、有効な打ち手であることは間違いありません。

今後は、大企業誘致に加えて、「地域のベンチャー企業の育成」も有効な打ち手になるでしょう。伸長するベンチャー企業は地元の雇用を引き受け、県外からの移転も促してくれるはずです。

「魅力的だな」「かっこいいな」「働きたいな」と思えるようなベンチャー企業が地域にたくさん生まれれば、一度都市部に出ていった後でも、地方(地元)に戻って働きたいと考える人が増えるのではないでしょうか。

特に若い人ほど、地元に戻ってきてくれる比率が高いかもしれません。

開業率が他国より極めて低い日本

ただし、現状の日本は開業率が他国に比べて極めて低い状態です。

他国との開業率の比較
(画像:『LOCAL GROWTH 独自性を活かした成長拡大戦略』より)

また、上場企業の53%が東京に一極集中しています(『会社四季報オンライン』より。『会社四季報』2021年1集(新春号)に掲載の本社所在地を用いて集計)。今後、地方からより多くのベンチャー企業が生まれていくためには、育成と支援の仕組みを整える必要があると考えています。

そのため、地方としてはまず、先行している東京の成功事例や失敗事例を研究し、足りないものが何かを理解するのがいいと思います。

そして研究や分析と同時に、東京のネットワークの中にも入り、不足を埋められるような打ち手など、有効な情報を得ることが大切になってきます。その情報を分析・整理したうえで、いよいよ地域の独自性を打ち出していくわけです。

その方針に従って、地域が一体となってベンチャー育成をしていくのが目指すべき方向性だと考えます。

たとえば、先輩経営者、起業家ネットワーク、地方の大企業、地方自治体、地方大学、地方銀行、ベンチャーキャピタル、士業の方々など、地域の人たちが一体となった大応援団の形成です。

地域全体で「地元ベンチャー企業を育成していこう!」というコンセンサスを取り、こうしたエコシステムを構築し、時間をかけて磨いていく。それができて初めて、起業する人が増えたり、ベンチャー企業が成長したりして、移住者増加や関係人口増加などのビジョン実現に近づくのだと思います。

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