従業員の8割が女性のフェリシモ、10年かけて育児支援制度を整備
衣類や雑貨、生活用品などの通販を展開するフェリシモは、全社員のうち6割が女性だ。非正規社員を含めると8割が女性とあって、育児・介護支援対策に対して積極的に取り組んでいる。
第二子を出産する社員が増加
「10年間をかけて、徐々に各種の制度を整備してきました」(コーポレートスタイルデザイン部・市川美幸係長=左写真)。同社では、この10年間に結婚や出産をする女性社員が増加してきたのだ。「社員にとって働きやすい環境を整える必要がありますが、個人によって事情が異なり、要望がまちまちでした。制度の内容が妥当であるかを測る指標として、他社の制度を参考にしました」(市川係長)。
他社の制度を参考にした事例としては、育児短時間勤務制度の改正が挙げられる。以前は未就学児までの子を持つ社員が対象だったが、小学校低学年までは学校行事や急な病気などが多いことから、改正後は小学校3年生の終了未満までとした。期間については最大6年間と定めた。その結果、対象者の全正社員が取得する利用率の高い制度となった。
短時間勤務や休業中の社員の業務については、チーム単位でカバーをする態勢をとっているが、カバーしきれない場合は、期間中に限り人材を雇用する。
「各種の制度を整備することで、利用者以外の社員が協力しようとする意識が強くなったと感じています」(市川係長)。育児休業者の全員が復職しており、第二子を出産する社員が増加していることからも、各制度が利用しやすい環境にあることがわかる。
企業イメージがアップし採用にプラス
兵庫県では2002年4月に「男女共同参画社会づくり条例」が制定された。これは「仕事と家庭、地域社会との両立に向けた職場環境づくり」や「女性の活動支援」などの促進を目的に、事業所と県とが協定を締結する制度である。協定を結んだ事業所の取り組みは広くPRされる。