高齢者の交通事故、増加の要因は「認知症」ではない 「脳ドックデータ」で判明した大きな事実誤認
血圧が高い人、大酒飲みの人、タバコを吸う習慣のある人は脳萎縮と白質病変の両方に関係し、過度のストレスを抱えている人は脳萎縮に強く関係すると考えています。
通常、私が主宰する脳ドック施設のデータでは、男性は1年で2ml、女性は1mlの割合で脳萎縮が進行するのですが、飲酒・喫煙習慣のある人はそれが約5mlに、仕事や人間関係などにストレスを感じている人は約10mlに増加するのです。
栄養バランスの取れた食事と規則正しい生活が大切
さらに、運動不足や睡眠不足、不規則かつ栄養バランスの偏った食事、糖尿病をはじめとする生活習慣病が脳萎縮に影響することも、付け加えておかねばならないでしょう。
また最近では、フレイルと脳萎縮・白質病変が密接に関係しているのではないかということが指摘されています。脳萎縮が進み、白質病変が継続的に増加すると、高次脳機能の衰退・低下、やる気・粘り・意欲の枯渇などをまねき、それがフレイルに結びついていくとする考え方です。
欧米の追跡調査では、白質病変とフレイルの関係が多く報告されていますので、フレイルと診断されたら、白質病変が増えている可能性を疑ったほうがいいでしょう。
高齢になっても、長く安全運転を続けたいのであれば、脳萎縮や白質病変の増加を抑えることが求められます。そのためにも、お酒やタバコを極力減らし、栄養バランスの取れた食事をとり、適度に運動して良質な睡眠をとるなど、生活習慣を見直して健康的な日々を送ることを心がけましょう。
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