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「結論ありき」プロジェクトが大抵失敗する理由 夢の自宅改築が悲劇になった夫婦の計画から学ぶこと

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デイヴィッドがゆっくり考え、建築家が設計に労を惜しまなかったことは、疑いようがない。それでも、彼らの立てた計画──あれが計画と呼べるのであれば──はまずかった。このことは、「ゆっくり考える」という私のアドバイスの重要なポイントを浮き彫りにする。

「ゆっくり」することそれ自体がよいわけではない。デイヴィッドとデボラのように、長年夢を温めながら、ただ空想するだけという場合もある。組織は延々会議をして、堂々めぐりの議論をくり返すだけのこともある。

よい計画は「疑問」から始まる

さらに、あの建築家が行ったような綿密な分析は、どんなに時間と労力をかけても、視点が狭すぎれば、計画の根本的な欠陥や現実とのずれを発見し対処することはできない。そのうえ、下手に綿密なせいで、実際以上に確実な計画だという誤解を与えかねない。外観だけで中身のない、張りぼての建物のように。

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これに対し、よい計画立案は、模索し、想像し、分析し、検証し、試行錯誤する。これは時間のかかるプロセスだ。つまり、よい計画を立てた結果として「ゆっくり」になるのであって、「ゆっくり」すればよい計画ができるのではない。

よい計画を生み出すのは、幅広く深い「問い」と、創造的で厳密な「答え」である。ここで注意してほしいのは、「答え」の前に「問い」が来ることだ。それも「なぜ、それをするのか?」という問いだ。問いが答えの前に来るのは当たり前、いや、当たり前であるべきだが、残念なことにそうなってはいない。プロジェクトは必ずと言っていいほど、答えから始まる。

デイヴィッドとデボラのプロジェクトは、「キッチンをリフォームしよう」から始まった。これは答えであって、問いではない。たいていのプロジェクトがそうであるように、2人の目的は明白で、考えるまでもないように思われた。唯一の問いは「いつ」始めるかで、それが決まるとすぐに詳細な計画を立てた。プロジェクトの目的を問わなかったことが、失敗の根本原因だった。

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