38歳でがん罹患「激務の母」が迷走経て掴んだ人生 東大院卒、外資系コンサルタントの大転換

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加えて、ワンオペで幼い子ども2人も育てていた。一人で必死に走って、走って、走り続けていた。

2020年9月、左胸と左リンパ節のがん切除手術は成功したが、治療は今も続いている。

華やかなキャリアと強い劣等感の狭間

真衣さんは慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)卒業後、東京大学大学院に進学。教育社会学を専攻し、行きすぎた能力主義がはびこる社会を批判的な視点から学んだ。卒業後は、あえて外資系の組織開発コンサルタント会社へ。社会で語られる「能力」がかなり相対的なものだと痛感した。

採用企業の社風と中途採用者との相性、転職した業界への理解度や、上司や同僚との関係性など、さまざまな要素がからみ合って、「能力」は発揮されたりされなかったりする。また、会社と個人はけっして対等ではない。

たとえば、変革人材を採用して保守的な組織を変えたいと意気込んでいた会社が、慎重に選んだはずの中途採用者に、社風に合わないとダメ社員の烙印を押して退社に追い込む。真衣さんはそんな事例も数多く見てきた。

2017年に独立起業後、彼女は前職の経験から、業務内容に応じて既存社員の最適な組み合わせを考えるという組織開発モデルを提唱し、支援している。

そのキャリアは一見華やかに見えるが、彼女自身は小学生時代から劣等感がずっと強かった。その原点をたどれば、担任教師の間違いをとりたてて悪意もないまま指摘しては、煙たがられていた小学校5年生の頃にさかのぼる。

ある日登校すると、担任から「今日は図書館に1日いなさい」と言われた。後日、彼女がいない教室で、その担任が「真衣さんのリーダーシップについて、みんなで悪い点を挙げましょう」と、同級生たちに呼びかけていたと知る。

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