サイゼが「ミラノ風ドリア」値上げしない深い理由 「ラクして儲けたい誘惑と戦い続ける」意義

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思い通りにならないこの世界で、自分中心に生きていくことは苦しみをもたらします。反省とは、自分中心という毒を抜いていく治療行為のようなものでもあるのです。

サイゼリヤ会長が欠かさずに行う朝の習慣とは

私は起床直後の「1人反省会」を日課にしています。

「あのとき出した指示は、間違っていたのではないか」

「打ち合わせで、誤解を与えてしまったのではないか」

「説明不足で、相手を混乱させているのではないか」

「人のため、正しく、仲良く」というサイゼリヤの基本理念と自分の言動を照らし合わせ、それができているかをチェックしています。

どうして朝なのかというと、まだ寝起きで頭がぼんやりしているので、自分中心の私利私欲が入りにくいからです。

本当は日中の活動時間帯に、その都度反省できればいいのですが、次々とスケジュールをこなさなければならないので、私にはその余裕がありません。まずは1日を一生懸命に過ごすこと。それから、次の日の朝に1日分をまとめて振り返り、反省するというわけです。

この世界は、あなたを中心にできているわけではありません。思い通りにならないことばかりです。生きていれば、自信を失うようなことばかり起こるでしょう。たとえ人生がつらくても、反省し続けている限り、「自分もまだまだ捨てたもんじゃないな」と思えます。

間違えてしまったけれども、間違いを素直に認められるだけの謙虚さがある。反省している今この瞬間、正しい方向に向かっていることがはっきりわかる。自分のことが好きでいられる。

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これはとても幸せで、ありがたいことだと思うのです。

そして、反省ができるのは、かかわりあっている皆さんがいてくれているからですね。何のかかわりもなく、1人で生きていたら、成功も失敗もありませんから、反省のしようがありません。

間違った考え方を直すきっかけを与えてくれたことに感謝の気持ちが芽生えてくれば、みんなのことが好きになって、この世界と調和していきます。あなたの心は、ますます穏やかになっていくでしょう。反省を積み重ねることこそ、幸せな人生を紡いでいくことなのです。

正垣 泰彦 サイゼリヤ創業者

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しょうがき やすひこ / Yasuhiko Shogaki

1946年兵庫県生まれ。67年東京理科大学在学中にレストラン「サイゼリヤ」開業。68年の大学卒業後、イタリア料理店として再オープン。その後、低価格メニュー提供で飛躍的に店舗数を拡大。2000年東証一部上場。2009年4月、社長を退任して代表取締役会長就任。

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