サイゼが「ミラノ風ドリア」値上げしない深い理由 「ラクして儲けたい誘惑と戦い続ける」意義
なぜなら、お客様のため、人のためにならないからです。
サイゼリヤがフランチャイズ出店をしていない理由が、そこにあります。
フランチャイズとは、加盟金やロイヤリティを払ってもらうことを条件に、外部の人にサイゼリヤを出店・経営してもらうことです。
仮にサイゼリヤの理念に共感して、お店を始めてくれたとしても、サイゼリヤが薄利な商売をしていることに変わりはありません。
「値上げして、もっと俺たちを儲けさせろ」と言われても、期待に添うことができません。加盟店の人に喜んでもらえるシステムを提供できないわけですから、サイゼリヤは今のところ直営店のみです。
自己中心的な「肉体」と理想に向かう「精神」
私や皆さんの中では、「肉体」と「精神」が常に戦っています。
「肉体」は感覚→感情→欲望に支配されているため、「不快」なことを本能的に嫌い、できるだけ自分自身を快適にしようとします。一方、「精神」には限界がないため、理想を果てしなく追うことができます。
そこで次のような現象が起こります。「精神」が理想に向かおうとするのに、欲望まみれで自己中心的な「肉体」が邪魔をするのです。
卑近な例で言うと、「生活習慣病になりたくないから、カロリー摂取を抑えよう」と精神で思っていても、肉体は欲望に負けてどんどん食べてしまう。そして、「また食べてしまった」と自己嫌悪に陥る……。そんな現象です。
肉体を制御するのがどれほど難しいことか、あなたにもきっと覚えがあるはずです。肉体を制御し、乗り越えていく。それは人間の「進化の過程」なのではないかと考えています。
物質に感覚が備わって、植物へと進化する。さらに感情や欲望を獲得して、動物へと進化。そこに知性や精神が加われば、人間になる……というわけです。
しかし人間は本当に、知性や精神を自分のものにできているでしょうか。感覚や感情、つまり肉体が生み出す欲望に振り回されてばかりですよね。私たちはまだ進化の途上にあるからこそ、努力しなければならないのだと思います。
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