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NATO、「ウクライナ15兆円基金」浮上の揺れる裏側 「もしトラ」を懸念する欧州とアメリカの関係

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  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)
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その意味でも、UDCGのNATO内格上げは重要な意味を持つと防衛専門家たちは見ている。

UDCGは欧州大西洋圏外の目的を同じくする他の約20カ国も含まれる。ドイツのラムシュタイン空軍基地で月に1度、バーチャルまたは対面で非公開会議を開催し、ウクライナに最新鋭の戦車からF-16戦闘機まであらゆる装備を整備するうえで中心的な役割を果たしてきた。

ウクライナは、ロシアの前線の奥深くにある目標を攻撃するため、数カ月間ミサイルの追加を要求してきた。さらにNATO軍の飛行機、ヘリコプター、無人航空機が黒海上空で再び発見され、クリミア半島攻撃の準備と見られ、前線から1300キロも離れたロシア南東部タタールスタン共和国の工業地域で4月2日、ウクライナのドローンによる攻撃もあった。

大きな岐路に差し掛かったウクライナ支援

アメリカ国防総省は3月、以前の契約で節約したコストを活用して、切望されていた防空装備を含む新たな3億ドルの援助パッケージをまとめたが、上院が可決したイスラエル、台湾を含めた950億ドル(約14兆2000億円)の追加支援パッケージが下院で可決されない以上、追加援助を送ることはできないとしている。

ウクライナのNATO加盟が実現すれば、NATOの対ロシア軍事行動は一変するが、ドイツとアメリカはウクライナの民主主義と安全保障の改革なしにNATOへの加盟はありえないとしている。

つまり、ウクライナ支援は大きな岐路に差し掛かっており、特に欧州全体が戦争に巻き込まれるリスクが本格化する中、トランプ新政権に左右されない新たな防衛の枠組みを構築することが急がれている。一方で、アメリカのニューヨークタイムズは、NATOがUDCG乗っ取りに動いていると否定的に報じており、7月にUDCGがNATOの完全傘下に入るかは不透明だ。

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