日本の在住外国人メディア、知ると驚く「深い世界」 日本の大企業も広告出稿「アルテルナチーバ」に迫る
その中身を見てみると、「日本におけるブラジル人の教育問題」「日本で起業するうえで注意すべきこと」といった記事が並ぶ。
日本で活躍するブラジル人シェフが教えるレシピ、日本で開催される予定のブラジル映画祭の紹介などエンタメ記事も多い。
また日本語の学習コーナーもあるし、漫画は同じ内容でセリフがポルトガル語のものと日本語のもの、2パターンが掲載されているのが面白い。
「日本で暮らすうえで必要な情報」をしっかり掲載する
「ブラジルから来て日本語を勉強中のお父さんは日本語のほうを読んで、日本生まれで日本語がわかる子どもはポルトガル語のほうを読んで勉強する。読者からそんな話を聞くとうれしくなりますよね」
そう話すのは「アルテルナチーバ」を運営する日伯友愛の代表取締役、田井博基リカルドさんだ。いま日本に住むブラジル人の多くは日系人だが、田井さんもやはり日系2世だ。
2001年に創刊して以来なんと580号以上をつくってきたが、大事にしてきたのはまず外国人が日本で暮らすうえで必要な情報をしっかり掲載すること。
「例えばマイナンバーが始まったときは制度について記事をつくりました。日本人でもわかりにくい部分があったので、外国人はもっとわからないんですよ。だから細かいところまで説明したんです」(田井さん)
コロナのときは感染対策やワクチンについて毎号毎号ページを割き、また入管法の改正などビザ関連のニュースも追う。外国人労働者の増加や、ミス日本に外国ルーツのモデルが選ばれたことなど、外国人関連の出来事について読者の意見を掲載したリ、社説で論じたりもする。
印象的なのは広告の数々だ。ブラジル食材のスーパーマーケットやレストラン、ビザの手続きを代行する行政書士、翻訳会社、自動車保険、健康食品、美容整形、ポルトガル語の通じる歯医者、リサイクルショップ……実に多様な会社が広告を出していて、ブラジル人が日本でどんなサービスを必要としているのか、生活がよく見えてくるし、なにより彼らを取り巻く「経済」が手に取るようにわかる。
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