脳は、外側から硬膜・くも膜・軟膜と呼ばれる3つの膜で包まれている。くも膜下出血は、このうちのくも膜と軟膜の隙間「くも膜下腔(くう)」に出血が起こることをいう。
原因の約80%は「脳動脈瘤(りゅう)」といわれる血管のふくらみ。血圧の上昇などにより、この瘤が破裂することで発症する。
20~30%は一過性の頭痛で始まる
金中院長は言う。
「くも膜下出血についてネットなどで調べると、『激烈な頭痛の後、意識を失い、そのまま亡くなる』という書き方をしている記事が多い。しかし、20~30%の人はAさんのような症状で始まることがわかっています」
これを「外来に歩いてやってくるくも膜下出血の患者」という意味で、専門医の間では、「walk-in SAH(歩いてくるくも膜下出血、SAHはくも膜下出血の略)」と呼んでいるそうだ。
本稿では、この「ウォークインくも膜下出血」について話を進めよう。
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