トーナメント戦でいい?高校野球"常識"覆す挑戦 「高校3年夏で負けたら引退」は"固定観念"だ
世界に目を向けるとアメリカや、多くのメジャーリーガーを輩出する中南米の同世代はリーグ戦で行われている。
高校年代は「選手の育成」が最大の目的で、「負けたら終わり」のトーナメント戦より「負けても次がある」リーグ戦のほうが選手にとって成長機会を得られるのは間違いない。
日本でもサッカーやバスケットボールではそう考えられ、高校世代ではトーナメント戦からリーグ戦に移行されてきた。
ラグビーでは今春、鳥取県の高校で部活動の顧問が「トーナメント開催は、もう限界に来ているのではないか」と声を上げてニュースになった。
かたや、日本の高校野球は「当たり前」のようにトーナメント戦を続けている。
個人が経験を積める場所を作る
主催者の新聞社がつくり上げた「負けたら終わり」の一発勝負は単純明快で、甲子園で数々の名勝負を生んできた背景にもあるだろう。
だが本来、高校生年代は選手として成長段階だ。
それなのにトーナメント戦では高校生時点で実力的に上の選手たちばかりチャンスが与えられ、大器晩成型は不利になる。
プロ野球に目を向ければ、秋山翔吾(広島)や則本昂大、荘司康誠(ともに楽天)のように高校卒業以降に大きく伸びた選手も少なくない。
阪長は、青年海外協力隊で中南米に派遣された頃に現地の野球を視察し、日本の仕組みに疑問を感じ始めた。
「強豪校に進んでも、1回も公式戦に出場せずに終わる選手もいます。それはトーナメントというシステム上、『この選手は今、活躍できないだろう』と見られるからです。でも他のチームなら出場できる可能性もあるわけで、もっと個人が経験を積める場所があってしかるべきだと思います」
そうして実現に向けて動き、8月上旬から中旬に北海道で開催されるのが「リーガ・サマーキャンプ」だ。
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