いじめや性加害など「悪事」が見過ごされる現実 群衆は悪事を止めるために何もしようとしない
悪事は悪人の仕業か?
2012年8月11日、当時16歳の女子が、米国のオハイオ州スチューベンビルで地元高校の生徒とのパーティーに参加しました。
そこには、同校のフットボールチームのメンバーが含まれていました。彼女はお酒を大量に飲んでひどく酔っ払い、嘔吐しました。そのパーティーに参加していた生徒たちは、彼女が泥酔している様子だったと述べています。
翌朝、彼女は、地下のリビングルームで裸の状態で目覚めました。男子3人に囲まれていましたが、前夜の記憶はほとんどありません。
数日後、パーティーに参加していた数人の生徒が、その女子に何が起きたのかを鮮明に描写した写真や動画をソーシャルメディアに投稿しました。
女子は、服を脱がされて性的暴行を受けており、2013年3月には、スチューベンビル高校のフットボール選手だったトレント・メイズとマリック・リッチモンドの2人がレイプで有罪になりました。
このようなできごとを聞くと、私たちの多くは、これらの悪事は悪人の仕業だと決めてかかってしまいます。
確かに、意識のない10代の女子に性的暴行を加えるのは悪人だけです。悪人が悪事を働くというこの信念は、安心感や心地よさを与えます。
ところが、残念ながら、この考えは間違っているのです。
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