自律神経の乱れが整う「音読」意識したい4つの点 コロナ禍で声出す機会が減少、疲れやすい体に
2020年から長らく続いたコロナ生活の影響で、多くの人が「声を出す」機会を失ってしまったことは、みなさんもご存じの通りです。
これによって何が起きたか。うつ病の増加です。もちろんほかにも要因はありますが、「声を出す」という行為は、私たちが心身のバランスを保つために非常に重要な行為です。 数年単位でこの機会が失われれば、私たちの体は容易にバランスを崩してしまいます。
「声を出さないだけで大げさじゃない?」と思うかもしれませんが、声は心と体のバロメーターの役割を担っています。心と体が整っているときは、スラスラとよどみなく話せますし、乱れているときはぎこちなくなります。そして、声を出さなければ、自分がバランスを崩していることにさえ気づけず、徐々に平衡感覚を失ってしまうのです。
私自身、コロナが明けた直後は、大学での講義や講演会で思うように声が出せず困惑してしまいました。言葉の歯切れも悪ければ、息継ぎもうまくできない。自分でも気づかぬうちに、心身のバランスが乱れていたのです。
コロナを通じて、「声を出す」ことがいかに私たちの健康を支えているか再確認させられました。ではなぜ、「声を出す」ことで、疲労や不眠、ひいては体の不調全般を改善することができるのでしょうか。
疲れやだるさは自律神経の乱れが原因かも?
疲れや体のだるさを感じる要因の1つに、「自律神経のバランスが崩れること」が挙げられます。「それならば自律神経のバランスを整えればいい」というわけですが、それがなかなか難しいのです。
ご存じの方も多いかもしれませんが、自律神経とは、心臓や腸、胃、血管などの臓器を「自律的」に動かすための神経のことです。「自律」という言葉通り、私たちの意思とは関係なく24時間休まず働いています。
この自律神経には、体を興奮させる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」の2つがあります。日中、活発に活動している時には交感神経が働き、心拍数が増えたり、瞳孔が拡大したり、消化が抑えられたりします。
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