「子どもへの医療」こそ、世の中で"最高の投資"だ カンボジアの医療に学ぶ"お金のリテラシー"

インタビューに応じてくれた院長の神白(こうじろ)先生。学生時代から社会貢献への想いがあり、高校時代に「現場で活躍するならば手に職を付けるといい」との助言を受け医師を志す。総合病院や離島医療などを経験後、ジャパンハートに参画した(写真:ジャパンハート提供)
同拠点はカンボジアにおける小児がん治療のパイオニアかつリーダー的存在であるも、施設を回れば、その医療環境が日本と比較して驚くほど粗末であることがすぐわかる。
常時30度を超える気温の中で外来の受付は屋外にあり、一部の治療も屋外で行われている。
整備された手術室はあるものの、入院病棟では10人もの子どもが同部屋に入り、各々のベッドの横ではその保護者が、長ければ数カ月の間寝泊まりをして看病に当たっている。
施設を一通り案内してもらったあと、院長を務める神白(こうじろ)先生に「日本と比較して、医療サービス提供における最大の制約はなんでしょうか?」と尋ねた。
足りないのは「現地の人材です」
足りないものは、施設や医療機器や薬剤なのか、はたまた資金そのものなのか。
私が想像していた答えとは裏腹に、神白先生は「それは現地の人材です」と言い切った。

3月、編集部が取材に訪れたときにも、病室で寝泊まりしている親子の姿があった。
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