米国の政策失敗に学んだ中国は先進国をまねない--A.T.カーニーCEO ポール・ラウディシナ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
米国の政策失敗に学んだ中国は先進国をまねない--A.T.カーニーCEO ポール・ラウディシナ

今や世界でG2といわれる米国と中国。両国のパワーバランスや景気の変動が、世界に与える影響は計り知れない。G2経済の今後について、A.T.カーニーのポール・ラウディシナCEOに聞いた。

--米中戦略経済対話での、両国の主張は平行線に見えます。中国は米国側の人民元引き上げ要請に耳を傾けません。米中関係の今後は。

米中関係は根本的に、共通の利益を共有する関係であると思います。中国経済は何といっても、米国の経済成長に依存をしている。米国側にしてみれば、財政赤字を支えていくうえで、中国からの対米投資に依存している。両国は一種の共生関係にあると見ています。

中国は今、何とか努力して経済のソフトランディングを実現したいと考えています。特に昨秋から5回にわたって金利を引き上げ、また昨年来、12回にわたって預金準備率を引き上げています。さらに、中国経済の成長にとって非常に大きな牽引役である住宅市場を冷やす、ということも実施している。

その一方で中国側は、8%程度の経済成長率を持続できる方向に持っていきたいと考えているわけです。その意味で、中国が米国の圧力に屈するような形で、かつ政治的な利益にかなわない条件で、人民元を引き上げる用意はないと見ています。

特に、金融危機で米国の金融制度が崩壊し、その後の事態の推移を見るにつけ、中国は以前にも増して、経済政策や金融政策に関する会議で、米国からのアドバイスに耳を貸す気はないとの姿勢を強めている。

中国は非常に大胆に自らのソリューションを見つけるべきだと考えるようになってきており、また、自らの国益に最もかなう形で、そのソリューションを追求していきたいと考えています。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事