福岡発「"学生アイドル"による地方創生」驚く挑戦 元TVプロデューサー教授が仕掛ける"大胆施策"
手術室へ運ばれるストレッチャーの上、「ドラマでこんなシーンを撮ったことはたくさんあるけれど自分が乗って見る光景はこんなふうなんだ」とぼんやり思ってみたり、妻に「じゃあね、行ってくるね」と気軽そうな声をかけたり、なんてことはないようにふるまいつつ、「これでもう戻って来られないかもしれない」と、どこかで覚悟を決めていました。
けれど同時に感じたのは、とてつもない喪失感と焦りでした。
死への恐れではありません。「積み重ねてきた学びが、すべてなくなってしまうこと」に対して、です。
学生時代から演劇活動に熱中し、テレビ業界で長い間番組づくりに携わってきて得た、芸能やエンターテインメント、メディアといった分野での経験。それが、私の死の瞬間には消えてなくなる。
「本当にそれでいいのか」という思いがこみ上げてきました。
「継承」こそ生かされた我が使命
幸いなことに、私は生かされました。
「生かされた」そう感じたということは、「新たな役割」を与えられたのではないか。「人はいつか死ぬ」それは痛いほど実感しました。
だからこそ、「様々な芸能のプロの方々と一緒に仕事をしてきて得た経験まで葬ってはいけない」と強く感じたのです。
では、どうすればいいのだろうか?
そうだ、若い世代へ受け継げばいい!
唐突に私の中に差し込んできた光のようなイメージは、若者たちに、先人の教えを説く指導者としての自分の姿でした。
大切な財産として私の中に根づく、人を楽しませる「エンタメの精神」、ひとつの作品を協力して作り上げる「チームワーク」、それらを追求し自分を磨く「クリエイティブ力」、そうした経験を、次の世代に継承していきたい! これこそ私が生かされた意味ではないか。
こうして私は、福岡の西日本短期大学メディア・プロモーション学科の教授となったのです。
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