宗教としての禅には、一般の人にはわかりにくい部分がたくさんあります。
例えば禅は、「何かのために」修行することをよしとしません。
後述するように、マインドフルネスには「気持ちが落ち着く」、多くのメリットがあります。
その一つがモメンタム的な要素です。
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しかし、「〜のためにマインドフルネスをする」という目的意識があまり強いと、「今、この瞬間」に意識を集中できません。
大切なのは無心になること自体であり、数々のメリットはその結果に過ぎないのだと、禅は説きます。
ですから一般的には、禅の側から進んでマインドフルネスに含まれるさまざまなメリットなどを紹介することはしません。
ただ私(川野)は精神科の医師でもあり、坐禅をするとこんな効果があります、と医学的なエビデンスを挙げて患者さんにおすすめすることもあります。
誰であれ、何かしらご利益があったほうが、実際にやってみようと思えるからです。
おそらく、禅の修行を長く積まれた偉い和尚さまに坐禅の効果を尋ねても、「坐禅をしても、何にもならん」と一言返ってくるでしょう。
それは「ご利益がない」と言っているのではありません。