国内企業が"瞑想"を取り入れてもパッとしない訳 日本人の行動力を上げる「新マインドフルネス」

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

彼らがマインドフルネスに期待しているのは、「癒やし」の効果自体よりも、それによって引き出される行動力、というわけです。

一方、日本人は欧米人に比べて仕事に対する目的意識が薄く、また自己肯定感も低いというデータが知られています。

目的意識のないところに、モメンタムは生じません

目的意識のない人生とは、進むべき方向が見えない人生、何をしたらいいのかわからない人生でもあるからです。

そのため、マインドフルネスで心の疲れを軽減しただけでは、次の行動につながらない可能性があります。

日本人にあった「マインドフルネス」

結果、モメンタムは発動せず、「なんだかパッとしない」状態を脱することができないため、生き方そのものをポジティブに変えるまでには至らないという人が少なくありません。

心理療法としてのマインドフルネスは、うつや不安といった心の症状を緩和したり、再発を予防したりする効果に関してすでに信頼に足るエビデンスが確立されていますし、さらなる活用が期待されています。

しかし、国内企業向け、あるいは一般の方向けに今一つマインドフルネスの普及が進まない原因の一つは、この「モメンタム要素の不足」にあるのではないかと思うのです。

これまで10年近くにわたりマインドフルネスの普及に取り組んできた私が、あらためてモメンタムに注目した理由が、ここにあります。

欧米型のマインドフルネスが日本の水に合わないならば、日本人の手で、日本人の心性に合ったマインドフルネスをつくればいい

私たちが目指しているのは、「癒やし」や「集中力トレーニング」だけで終わらず、心に勢いをもたらし、人間本来の行動力を取り戻すための、新しいマインドフルネス

そのために、モメンタムが必要不可欠だと考えたのです。

日本人がマインドフルネスが必要な理由
日本人が「マインドフルネス」に加えて「モメンタム」が必要な理由(図:『「心の勢い」の作り方』より)
川野 泰周 臨済宗建長寺派林香寺住職/精神科・心療内科医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かわの たいしゅう / Taishu Kawano

精神科医・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・日本医師会認定産業医。一般社団法人日本モメンタム協会理事。
1980年横浜市生まれ。2005年慶応義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶応義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。
現在、寺務の傍ら都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたっている。

この著者の記事一覧はこちら
恩田 勲 JoyBizコンサルティング代表取締役社長/一般社団法人日本モメンタム協会理事

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おんだ いさお / Isao Onda

1957年生まれ。1982年日本大学法学部法律学科卒業。
卒業後国内最大手の民族系コンサルタント会社にて営業職を経て行動科学理論を基軸においた人材開発を主としたコンサルタントとして活動。2008年に実務を経験すべく大手機械商社の経営企画部門に転職した後、2009年JoyBizコンサルティング株式会社を設立し、組織開発を主としたコンサルティングを手掛ける。
現在はクライアント企業の経営陣を対象としたコンサルテーションや人材や組織を活性化させるオリジナルのプログラム開発を行っている。。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事