その快感は“代替現実ゲーム(Alternate Reality Game、略してARG)”で得られる快感と似ていると、雨宮さんは語る。
代替現実ゲームとは、ゲームに現実の日常生活を取り入れて提供される遊びのことだ。
最初期の例として知られるのは、スピルバーグ監督の映画『A.I.』のプロモーションで、映画のポスターに書かれた情報を元に謎を解いていく『The Beast』という試みだった。電話、インターネット、トイレの落書きなど、様々な情報を使う。
日常生活とゲームが交錯する瞬間に、強烈な快感を覚えるという。
『目覚めた人』になると、抜け出すのは難しい
「ストーリー自体が特異なわけではないのですが、謎が解けていくときにすごく気持ちが良いんですよ。脳内に快感物質が溢れ出ている感じです。これが先ほど話した感覚と非常に似ている。
『これは気持ち良いけど、ハマったら危ないぞ』
と冷静になれる人は良いですが、こういう体験に免疫がない人がその状態を経験したら、そのままズブズブとハマり込んでもおかしくないと思いました。特にメンタルが参っていたり、体調が悪いときには陥りやすいと思います」
陰謀論の界隈では、世界の秘密に気がついた人は、
『目覚めた人』
と呼ばれるという。
コロナ禍で仕事が休みになり、スマホ漬けの生活を送っていた人が『目覚めた人』になった例もある。
一旦『目覚めた人』になれば、ネットを検索するときには自分と似た意見の声しか聞こえなくなる。それを、エコーチェンバー現象と言う。
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