日本の不動産市場は、バブルでなく「HOT」 不動産世界大手、CBREのトップに聞く
地域への窓口となる都市という意味で「グローバル・ゲートウェー・シティ」という概念がある。東京もこの市場に入っている。この市場では、投資家は何十年という長期的視点で投資物件を選ぶ。将来にわたり確実な利益が見込まれるか、ということが投資判断の重要な基準になってくる。
――日本はこの10~20年の間、「ジャパン・パッシング」といわれ、アジアの窓口としての地位をシンガポールや香港に奪われてきた印象があります。日本回帰などの変化があるということでしょうか。
確かに、シンガポールや香港もゲートウェー・シティと呼べる都市になった。だが、アジア地域の中心が東京から移ってしまったかといえば、そうではないと思う。
アジア地域における変化としては、東京から移ったというわけではないが、中国の成長に伴って北京、上海などが新たに台頭したことが挙げられるだろう。
東京の街を歩いて感じるのは、何より巨大な都市だということ。それから、施設や機能がうまく配置されていて、国際的で、清潔で、美しい。それと、日の出がとても早いことに驚いた。各地で再開発プロジェクトが活発に進んでいることも見聞きしているが、不動産価値の高い土地だから、それも当然のことだろう。
国内は今後数年間、いい状況が続く
――日本の不動産市場の活況はいつ頃まで続くとお考えですか。
世界各国の主要都市を訪問すると、どの都市でも似たような質問を受ける。日本の不動産市場は過熱状態ではない。今後数年間、世界経済は過熱もせず、安定的な成長を続けると想定され、日本の不動産市場もそれを受けて、いい状況が続くだろうと考えている。
―― 一般的には、2020年の東京オリンピックまでは不動産市場の活況が続くだろうと見られていますが、その後についてはどうでしょうか。
ロンドンの例では、オリンピックのために造られた新たなインフラはオリンピックが終わった後も残り、それをもとに都市の経済成長が続いている。基本的に、日本経済の成長は安定的に続いており、オリンピックはそこへプラスされる要因だと考えている。