日経平均は年前半4万2000円まで上昇の可能性 東証改革の成果は短期的に株価に織り込まれた
では、最も影響力の大きい米国株は今後どうなるだろうか。これはエヌビディアを中心としたAI相場(大テック相場)がどうなるかにかかっており、このAI相場に日経平均がついていけるかが、今後の日本株のカギを握りそうだ。
東証の改革は短期的には相場に織り込まれた
また、日本株のさらなる上昇には、東京証券取引所が主導する改革の成否も、やはりもう1つのカギといえそうだ。なぜなら、日本独自の株価上昇材料として注目されている「東証の企業改革(1月15日以降毎月公表予定)」は、足元では私が予想したとおり、停滞気味だからだ。
1月15日の公表分では、開示企業が20%から40%へと大きく上昇(昨年12月末時点)したことで海外投資家に好感されたと言ってよい。だが、2月15日の開示(1月末時点)では、この比率は44%となったものの、わずか4ポイントしか改善せず、改革のスピードは落ちている。8月15日の開示(7月時点)までは、月次開示してもガッカリするだろう。
米国株高と連動した株価上昇やこの東証主導の改革などで、日経平均などの指数のPBR(株価純資産倍率)はすでに過去のレンジの上限まで上昇しており、欧州株とほぼ同水準になった。ここからさらにPBRが上昇するかは、やはりこれからの改革次第だ。私は中長期では期待しており、日本株の魅力はさらに高まりそうだが、短期的には中身を精査するタイミングだと言える。
また、新NISA(少額投資非課税制度)で期待された日本株買いも、大盛況が伝えられているとはいうものの、期待が大きかっただけにそれよりは少ない状況だ。前出のように株価上昇局面で個人投資家は株式を売却しているし、新NISAについても世界株や米国株への投資の比率が高く、短期的には日本株買いはまだ増えない可能性が高いからだ。やはり、「ND倍率1倍」は、一時的には超えたとしても、少なくとも今年は大きく超えることはないとみる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら