経営者だからこそ感じる「労働組合」の重要性 データ重視で失われた「対話」の共同体を求めて
青木:そういうふうに考えると、やはり教育が重要だなと。確かにいい大学に入ると貧困状態から抜け出せるんだけど、学費が払えなかったり塾に行けなかったりして、そもそもいい大学に入ることができない。いい大学に入るためにはまず貧困じゃダメっていう社会は、全然フェアではありません。借金ではない奨学金があって、誰しもが教育を受ける機会が確保されていて、その先に働くこともあって、初めて民主主義的な社会の基盤が出来上がるのではないでしょうか。
新自由主義で生じた分断を結び直す
今井:同じ思いです。僕らも法人単体ではなく、そういう社会をつくっていくために育てあうことを、より明確にビジョンとして打ち出していくことがすごく大切だと思っています。これまで非営利について考えてきましたが、もう少し一人ひとりの当事者による働きかけやムーブメントなど促すことができないかなども考えていきたいですね。
青木:困窮状態を救うっていうのは、マイナスをゼロにすることだと思います。NPOってそこをやることは得意だと思うんですけど、ではどうやってゼロをプラスにしていくのか。すでにあるものを応援して育てていくようなイメージ。これからの非営利セクターは、そこをやっていくことも必要なのかもしれないですね。
今井:2023年度は、D×PでNPO7団体への資金提供や経営的な支援なども行ってきましたが、同時に非営利的な観点に目が向けられるリーダーや起業家の育成も必要なのかと思いました。新自由主義で生じた分断を結び直す。民主的多元主義的な社会をつくるうえで、別のレイヤーを結び直せるような役割を担う人を輩出できるようにしていきたいですね。
青木:どうやってつなぐか。その一つの手段にラジオがあるのかもしれない。なんでもラジオにするという(笑)。誰かをやっつける、打倒するのではなく、今すでにあるものをどうやって結び直すのか。それが現実的ですよね。
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