「チェルシー終売」嘆き悲しむ人が多い本当の理由 突然の別れ、「メルカリで高額転売!」は悲しい

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しかし、消費者の視点に立ってみると、ノスタルジーのような「エモさ」は、ときにスパイスとなり、購買の原動力となり得るのも事実だ。

消費者の思いが、商品の味になる。その一例として、同じく明治の「きのこたけのこ戦争」が挙げられるだろう。姉妹商品である「きのこの山」「たけのこの里」をめぐって、どっちが好みかと争う人気投票。

もともとは消費者が勝手に論争していたのだが、企業側も「総選挙」としてライバル構図を明確にさせることで、さらなる購買意欲がかき立てられた。

しかし、感情ベースの関係性は、好調時には売り上げをアシストする一方、終売や「改悪」のような際には、落胆を招くマイナス要因となってしまう。

エモさに乗っかるメーカーも、いいときだけファン心理を利用しているのであれば、本当の意味で消費者に向き合っているとは言いがたい。たとえ悲しい結末であっても、少しでも衝撃を和らげ、軟着陸できるよう、消費者を導くほうが望ましいだろう。

その点で言えば、チェルシーの「お別れ」は唐突感を残し、だからこそショックが広がっているのではないか……そんなふうに、筆者には感じられた。

「突然の幕引き」はショックが大きい

嘆き悲しむ消費者は、商品がなくなることそのものより、むしろ「突然の幕引き」となったことにショックを受けているのではないか。心の準備期間が十分に設けられていれば、またその印象は異なったように思える。

商品にともされた危険信号に気づいていれば、買い支えの余地もあっただろう。そうすれば、メルカリ等での転売も目立つことにならなかったかもしれない。さりげなくSOSを伝えるメーカーと、言われなくても察する消費者で、良好な関係性を築ければいいのだが、なかなかそうはいかない現実が見て取れる。

宣伝戦略としても、落ち目より、売れ筋や新商品をアピールしたほうが効果的。結果として、消費者は販売終了を決定事項として知り、「もっと早く教えてくれていれば、なんとかなったのでは」との後悔が残り、メーカーへの不信感へと変わることもある……というのは筆者の考えすぎかもしれないが、とはいえ、ロングセラーの販売終了は、それだけ難しいものなのだろう。

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城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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