ドコモの株主はアナリストより手厳しかった 「お客よりNTTを向いているんじゃないか」

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「協創という形でパートナーと価値を創造していきたい」と加藤社長は語った(メディア向けに公開されたモニター画面より)

――最先端の技術もいいが、利益はいつ出てくるのか。時間軸を含めて教えてほしい。

吉澤和弘副社長:利益そのものを出していくことは重要だ。dマーケットでたくさんのサービスを出しているが、今年度はそうした新分野で営業利益500億円以上と目標を定めている。短期、中期で目標を定めてやっていると、ご理解いただきたい。

――最近のドコモはソフトバンクと同じような営業方針に転換したのではないか。ポイント制度の条件が悪くなり、長期利用者をないがしろにする内容になった。社長は長期利用者を優遇すると言っているが、言っていることとやっていることが正反対だ。新料金プランについても、同時に旧プランの受け付けを終了している。まるで新料金でなければお客様ではないと言わんばかりの対応だ。長期利用者を切り捨てたら、ドコモはこれからもっと厳しくなるのではないか。

須藤章二取締役:ポイント制度は4段階のランクがあるが、長期の方にはランクが高くなるようにしている。DCMX(ドコモが発行するクレジットカード)を利用されている方は、高いポイント設定になっている。最近も他社とのポイント共有の仕組みを入れた。今後は通話料金の支払いに充当できるようにする。また、長期利用者向けには「ずっとドコモ割」という、15年以上ご利用の方なら最大2000円まで割引になるプランがある。買い替えるときには「10年スマホ割」なども入れている。

MVNOとは差別化できている

――MVNO(仮想移動体通信事業者)による格安サービスが出ている。差別化をどう考えているか。

阿佐美弘恭取締役:MVNOは当社が貸し出した回線でサービスを提供する事業者であり、現状は格安という点で差別化している。当社としては、dマーケットなどの独自サービスやポイント制度、全国2400を超えるショップのサポートなどで、差別化できていると考えている。

――人口減、高齢化の中で、海外戦略の話が一言も出ていない。できる、できないは別にして、どう拡大していくのか。

坂井義清副社長:端末の数を増やすのは難しいが、IOT(モノのインターネット)などの通信サービスのところで成長できると思っている。パートナーと組んだ取り組みでは、医療、教育などが、高齢化の中でも成長できるだろう。海外は子会社で通信事業者に対する携帯向けコンテンツ事業などもやっている。売上高の規模は小さいが、非常に大事だと考えている。

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