世界株高から置き去り「沈む中国株」の根本要因 権力集中が招いた苦境、トランプ勝利でどうなる?

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G7各国はトランプ元大統領の時代に「本当にアメリカとだけ付き合っていていいのだろうか?」という問いに答えを出せずにいた。そして、EUは中国と中欧投資協定に大筋合意して経済圏としての深化を目指した時期があった。しかしバイデン大統領になって以降、中欧投資協定の批准に向けた審議は停止され、EUは再びアメリカとの関係を深めるに至っている。

だがバイデン大統領の推し進める「先進国としてのあるべき論 ≒ 高貴な価値観」はG7の心を統合させた一方で世界を二分させてしまった。独裁的、強権的、一極集中的な政治を行う国と、高貴な価値観を大切にする国の溝は深まってしまっている。

ひるがえってトランプ元大統領の時代は、ビジネス重視の柔軟な政策により、G7各国はアメリカに対して疑心暗鬼に陥ったものの、実は世界は多極化へと向かい、中国やロシアにとっては他の国と繋がりを強化する機会が増えていた。ゆえに中国はトランプ元大統領の再選を望んでいるだろうし、それが叶えば外的要因としては1つ大きなプラスとなる。

トランプ氏勝利は中国経済にプラス

ではトランプ元大統領は選挙を勝ち抜けるのか? その可能性は十分ありそうだ。いわゆる高貴な価値観(中所得以上、人権重視、環境汚染反対、グローバル思考)は世界中から集まった多民族国家のアメリカの多数派ではなくなりつつある。

トランプ氏のようにエネルギッシュで金銭的に成功をおさめ、かつはっきりとものをいう人物を、アメリカ国民は(バイデン大統領との比較において)評価しているように見える。その審判は2024年11月に下される。

整理すると内的要因としては習近平氏の退任が、外的要因としてはトランプ元大統領の再選が中国経済にポジティブに働く。習近平氏は現在70才でまだ健在だろうから、これがしばらく中国経済に影を落とす一方で、「もしトラ」の展開は中国にとってプラスだ。

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