第4回ダイバーシティ経営大賞・パネルディスカッション--受賞企業担当者に聞く経営戦略としてのダイバーシティ

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○吉田
第一生命保険株式会社人事部ダイバーシティ推進室の吉田です。今回、ダイバーシティ推進におけるワーク・ライフ・バランスの取り組みということでお話をさせていただきます。

 

 

当社は昨年4月、相互会社から株式会社になりました。創立は1902年、来年で110周年を迎える会社です。職員は内勤職員と営業職員の2つで構成されていますが、内勤職員のうち6割、営業職員は9割が女性、合わせても9割が女性と、女性の会社と言っても過言ではありません。また内勤女性職員のうち9割が、地域限定の女性職員でお客さまサービスなどを担っています。

これまで保険契約の手続きは、契約時と支払時は主に営業職員が、契約期間中のサービスに関しては内勤が担当という役割分担がありました。しかし、最近のお客さまニーズやライフスタイルの多様化などを考えると、そうした役割分担にとらわれず、職員一人ひとりがお客さまに合わせたサービスを担うための付加価値の高い仕事を行っていく、そして会社として生産性を高めていくということが大切になります。当社では、女性の大半が、お客さまサービスを担うという点から、女性職員の働き方を変革して、さらに人材活用を高めていく、それが第一生命にとっての今後の競争力、差別化につながるということで、ダイバーシティ推進に取り組んでいます。社内では、「女性職員たちが成果を上げてお客さまサービスを担っていくことによって、組織の課題が解決し、生産性が上がり、業績も上がる。まさに得をするのだ」と言って、ダイバーシティを推進しています。

当社は持続的成長に向けて2つの成長戦略を掲げています。1つは「新・生涯設計」で、社内のあらゆる職員全員がお客さま満足の向上に取り組むという考え方であり、「すべてのお客さまに、私たちすべてが、すべての接点で、一生涯のパートナー」というキーワードを打ち出しています。たとえば、女性職員はこれまで窓口で手続きを中心に行っていましたが、それを保険の提案にまで仕事を変化させていくことによって、「新・生涯設計」というお客さま満足の向上への取り組みを推進することができると考えています。

 

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