父親の心得は「スター・ウォーズ」に学ぼう

現代日本の父親とダース・ベイダーの共通点

物語の全編にわたるキーワードが「フォース」だ。エピソード4で、オビ・ワン・ケノービは、「フォースとはジェダイの力の根源だ。生命体が作り出すエネルギーの場で、銀河全体を覆い結びつけている」と説明している。フォースには強大な力がある。しかし、フォースの扱い方を誤ると、「暗黒面」と呼ばれる“ダーク・サイド”に堕ちてしまう。

「愛」や「母性」の暗喩としてのフォース

第1作が公開されたのが1977年。私も父と映画館に行った覚えがある。子どもの頃は、フォースとは、魔法のようなものだとしか考えていなかった。しかし最近、自分の息子とともに全6作を見て、フォースとは「愛」や「母性」もしくは「輪廻」のようなものではないかと思うようになった。

ここでいう「母性」とは、母親だけが持っている親としての感情をいうのではない。女性にも男性にもある、「生命誕生以来続く、時間的にも空間的にも全体として調和を保ちながらつながろうとする本能」のようなイメージだ。

実際には愛や母性で物を動かしたり、人の心を操ったりはできないが、それらがあることで力が湧いてきたり、不可能だと思ったことを実現できたりすることは現実にある。そういう不思議な力を、ジョージ・ルーカスは「フォース」と表現したのではないか。まったく勝手な解釈ではあるのだが、そういう視点で作品を解説してみたい。

アナキンは強力なフォースを持ちながら、その扱い方を誤り、ダーク・サイドに堕ちた。アナキンにとっての愛とは、作中で描かれるヒューマノイド(人型)の生物「サンド・ピープル」に虐殺された母への愛であり、幼少期から憧れた女性であるパドメ・アミダラへの愛である。

幼きアナキンは、いつか母親を救うために強いジェダイになることを誓う。しかし願いはかなわず、母親を死なせてしまう。そしてアナキンは、自らの怒りに負け、ジェダイの教えに背き、サンド・ピープルの村落を皆殺しにしてしまう。母への愛が、独善的な愛へと形を変えてしまったがための悲劇である。

その心の弱さを、暗黒卿が見抜き、利用する。

アナキンはパドメを射止め結婚。そしてパドメは妊娠する。愛するパドメのほかに、さらに愛すべき存在ができたことはこのうえない喜びであるはず。ところがそのときからアナキンは、出産によってパドメが命を落とす悪夢を見るようになる。守るべきものが増えた喜びよりも、守るべきものが増えた不安に意識が向いてしまったのだ。

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