重度認知症の妻と介護した夫に起こった驚く事態 献身的だった夫、娘は「こうなる気がしていました」

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認知症も関係しているのかもしれませんが、施設でのセクハラは少なくありません。セクハラがあれば正当に対処しますが、この人は奥さんを亡くしたばかりでもあり、ご家族にも相談しにくかった。そのため、この人のお世話は男性職員だけでするように切り替えました。

他の入居者とのプラトニックな交際を開始

職員へのセクハラはなくなりましたが、そのうちこの人は、ある入居者に接近していくようになりました。相手は、足が悪く車椅子を使っていた認知症の女性です。

『認知症の人、その本当の気持ち』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

車椅子を押してあげたり、足をマッサージしてあげたりするようになったんです。女性も、迷惑がるというよりは、それを受け入れているような様子でした。

施設内でもプラトニックに交際されるなら、とくに問題視されることではないので、双方のご家族に相談することにしました。最初はどちらのご家族も難色を示されていましたが、なかば公認ということになったんです。

マッサージをしてあげるくらいはあっても、それ以上、発展するわけでもありません。入居者が集まる部屋で、手をつないでテレビを見ているなどして、仲良く過ごされていました。

奥さんが亡くなられてそれほど時間が経たないうちにそういうふうになったことをどう受け取るかは微妙ですが……、はたから見れば微笑ましいカップルでした。

たっつん 介護士

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Tattsun

介護の仕事を18年続けている現役の介護士。在宅での介護が困難とされる方が入居する特定養護老人ホームでの、入居者の方々との印象深いエピソードをSNSにて発信し、多くの共感を得て人気となった。介護の仕事の面白さを伝えるために日々発信を続けている。ツイッターアカウント @tattsun_cw

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