ヨギボー「店長が盗撮で逮捕」も対応に評価のワケ 暴露受けるも迅速な消火、細部に工夫が凝らされた
一方で、SNS上で代表者個人が反応するとなると、「まずプレスリリースを出せよ」とのツッコミが入りかねない。
これを木村氏は、投稿の結びで「会社発表前ですが代表取締役会長として先んじてお詫びさせて頂きました」との予防線を張ることで回避した。
この一文で「追って企業としても発表する」と宣言することで、情報の受け手も「ダンマリで逃げるわけではない」と、それなりの理解を示してくれるのだ。
現場への敬意と、「企業」「個人」の使い分けも
(3)現場スタッフに敬意を表する
木村氏の投稿では、経緯や再発防止策の説明のみならず「渋谷宮下公園前店で働くYogiboキャスト達の強さと勇気に深く敬意を表します」と、(3)現場スタッフに敬意を表することも行われている。
被害者も加害者も内部にいるため、消費者としては「どれだけ従業員を守れるか」に注目が集まるが、誠実な姿勢をにじみ出させる一文と言えるだろう。
(4)「企業」と「個人」の使い分け
そして最後が、(4)「企業」と「個人」の使い分けだ。木村氏は投稿で、元店長との面識はあったとしつつ、「まさかこのように下劣な犯罪行為をする人物とは思っておらず、名前を聞いた際は大変ショックを受けました」と、個人としての受け止めを示している。
その一方で「Yogibo本体と致しましてもこのような犯罪行為は絶対に許しません」との記述もある。どの立場からの言葉かを明示して、「客観的事実の説明」と「トップとしての思い」を交通整理することにより、受け手の理解はより進んだのではないか。
プレスリリースを待たずに、会長みずからSNS投稿ができた理由としては、ひとえに「上場企業ではない」ことにあるだろう。内容によっては、株価への影響も考えられるため、いくら代表取締役といえども、発表には慎重な姿勢が求められる。
非上場であることに加えて、自社で完結できることも大きい。もともと、Yogiboそのものはアメリカ発祥で、木村氏が代表のウェブシャーク社(現在のYogibo社)は日本総代理店といった関係性だった。しかし2021年末、アメリカの本社をウェブシャークが買収し、日本資本となっている。
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