勤務先で給料を得ながら起業するベストな方法 許諾を得るのが難しい場合はどうする?
次に、正社員転職を諦めて、アルバイトに切り替えるという選択肢もあります。
ただ、雇用形態が変わると、収入・待遇が大きく変わる可能性もあります。すでに、何があっても確実に起業・独立すると決めている方にとってはいい選択肢となりますが、「成功したら、起業・独立したい」と思っている状態の方にとっては、なかなか踏み切れない選択肢かもしれません。
会社側にもメリットがあると思わせるストーリー
では、今働いている会社で、許諾を取るにはどうすればいいのでしょうか? 会社が副業を禁止している趣旨・目的を踏まえた上で、会社にできるだけ価値がある、許諾ストーリーを作ることが大事となります。
会社が副業を禁止する趣旨・目的とは、副業を通じて秘密裏に会社の資源を流出されたくない、競合されたくない、もしくは副業の延長線で離職されたくないことにあります。ですから、会社の資源を使わず、競合せずに、目の前の仕事を真面目にやり続ける前提であれば、会社側が副業を「否定」する理由はなくなります。
では、会社があなたにわざわざ副業を「許諾」する価値を見出すには、どのようなストーリーが考えられるでしょうか?
会社にとっての価値は、コストが下がるか、売上が上がるか、この2つになります。
例えば、皆さんが「1カ月後に退職する」といきなり会社へ伝えた場合、会社にはどのようなことが生じそうでしょうか?
退職金を支払い、さらには次の人を広告やエージェントを使って採用し、その人が機能するようになるまで育成工数をかけていく必要が生じます。つまり、会社からするとコストが一気に増えてしまうわけです。
その前提に立つと、例えば「子どもが塾に行く必要が出てきて、今の給与では成り立たなくなりました。本当は今の会社も仕事も好きなので辞めたくないのですが、今のままでは給与がいいところに転職せざるを得ません。昇給を要望するのも申し訳ないので、副業の許諾だけ頂けないでしょうか」というストーリーなどが考えられます。
これは、離職によって会社に生じるコストを下げるためのストーリーとなっています。理由を、「親の介護」や「結婚資金」などに入れ替えると、いろんな方に使えるのではないでしょうか。
また、例えばあなたが社内で新規事業を立ち上げ、既存事業の売上・利益を超える事業成長を作り出した場合、経営者はとびきり嬉しいのではないでしょうか。
ただ、現実には、そんな簡単に成功する新規事業など生まれませんし、新規事業の提案自体、なかなか会社の承認レベルに到達しません。しかし、だからこそ、「本来、会社でやりたい新規事業なのですが、実績データがないと社内起案も通らないため、まずは副業という位置付けで個人のお金で仮説検証をさせて頂きたい。だから副業承認を頂けないでしょうか」というストーリーを立てます。
これは、会社が将来の新規事業開発を通じた売上拡大につながる可能性を感じながらも、自社のコスト持ち出しゼロで仮説検証できるというストーリーになっています。
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