「内向型の人」に秘められているすごいエネルギー 実はイーロン・マスク、ビル・ゲイツも内向型
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツも同じく内向型として有名です。彼の集中力のすごさも語り継がれています。共同創業者のポール・アレンは自身の著書でゲイツの仕事ぶりをこう振り返っています。
「深夜の作業中にビルが端末の前でうたた寝しているのもよく見た。コードを打ち込んでいる最中に、徐々に身体が前方に傾いていき、ついには、鼻がキーボードにあたってしまう。そのまま1、2時間眠った後目を覚まし、薄目でスクリーンを見て2度ほどまばたきをすると、すぐに何事もなかったように作業を続行する。本当に信じがたいほどの集中力である」
ゲイツの集中力がなぜすごいかについてはコンピューター科学者のカール・ニューポートの分析が興味深いので紹介します。
彼は「ディープワーク」という概念を提唱し、ゲイツこそディープワークの実践者だと指摘しています。
ディープワークとは注意力が散漫することなく集中し、脳が潜在能力をフル稼働させている状態です。ディープワークが新たな価値を生み、スキルを向上させ、容易に真似ることができない競争力を生み出す源泉になります。
ディープワークを実践できれば、難しいことをより早く学べるように思考回路を組み直せます。その結果、より短い時間でより質の高い仕事も実現できます。
ゲイツは1年に2回山小屋にこもります。その期間を「シンキング・ウィーク(考える週)」として、外の世界を完全に遮断します。メールも携帯電話も使わなければ、インターネットにも接続しません。読書と思索にふけります。
もちろん、ビジネスのアイデアを練る場でもあります。従業員が提案する新しいイノベーションや投資案が記された紙の山にたったひとりで向き合い、構想をじっくり練ります。
1995年に提供を開始したInternet Explorerをはじめとするイノベーションは、まさにディープワークによって生み出されたといわれています。
内向型が持つ「エネルギーを内に向ける力」
内向型と外向型では情報処理の方法が違います。内向型の人と外向型の人の血液は、脳内でそれぞれ違った経路をたどるのです。
内向型の人の情報処理の経路は、より複雑で、内部に集中しています。内向型の人の血液は、記憶する、問題を解決する、計画を立てるのに関わる脳の各部へと流れます。経路は長く複雑です。
ですから、内向型の人は思考を重ねたり、細かい情報をまとめて抽象化したりする能力に長けており、長期的なプロジェクトを計画して実行するのが得意です。
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