中小企業が賃上げを実現するために必要なこと 大企業は昨年以上のベースアップが見込まれる
以下、番組での主なやりとり。
安宅晃樹キャスター(フジテレビアナウンサー):日経平均株価はバブル期の1989年12月に付けた3万8,915円に迫る勢いを見せている。いまの日経平均の伸びはバブルなのか本物なのか。
海外投資家が日本株を押し上げる
後藤達也氏(経済ジャーナリスト):確かに89年の頃の景色を覚えている人は、この水準は大丈夫かなと不安になる面もあるかと思う。しかし、企業の稼ぐ力に着目すると、89年の頃は期待中心でまさにバブルになっていた。いまは稼ぐ力もついてきていて、それほどむちゃくちゃな株価がついているというわけではない。ただ、年明けから日経平均は5,000円ぐらい上昇しているので短期的にはちょっとスピード違反かなというところはある。
安宅キャスター:なぜここまで急激に伸びているのか。1月から新NISAが始まったが、株式の投資信託にどのくらいの資金が入ってきているのかというと、約1兆2,800億円。では、この新NISAが株価を押し上げているのか。内訳を見ると、日本株に投資する商品への流入額は約1,300億円。一方、海外の株式に投資する商品への流入額は約1兆500億円で8割を超えている。つまり新NISAの資金が日経平均株価を押し上げているというわけではなさそう。では、日本株を押し上げているのは一体誰か。1月の日本株の売り買いのデータを見ると、日本の個人と企業は売り越しになっている。一方、海外投資家は約2兆693億円の買い越しになっている。なぜ今、海外の投資家は日本株をこぞって買うのか。
後藤氏:いくつか理由がある。1つは今、中国の景気、株価も落ち込んできているので、欧米の投資家からすると、アジアのどこかに資金を振り向けようとなった時に、相対的に日本の方が魅力的ではないか、というのがある。それから、日本経済が変わっていくのではないかという期待が結構強まっている。賃上げの機運が高まってきているし、上場企業の経営の姿勢も結構いい形で改善が進んでいくという期待もある。2月も含めると3兆円ぐらいと、記録的な買いになっている。
安宅キャスター:ただ、この実態はわれわれの生活には届いていないと感じる。15日に内閣府が国内総生産(GDP)を発表した。名目GDPは、2009年にはアメリカに次いで第2位だったが、翌年に中国に追い越されて3位に転落。今回はドイツに抜かれて4位となった。さらに2026年にはインドにも追い越される見通しだ。なぜここまで次々と抜かされていくのか。