戦場で戦う傭兵「嫌な奴はいない」意外なカラクリ 会社員でなくとも自分をアピールする必要も

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(『日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし 戦時中の軍隊の真実編』より/(C)高部正樹・にしかわたく/竹書房)

戦場には

「失ったものを数えない。今あるものだけを数える」

というルールがあります。

「前の戦闘でどれだけ損害を出したか?」

というのを考えたって、全然意味がないです。なんにしたって、今ある兵器や人員で戦わなければならないんだから。

だから給料が50万円なら50万円の生活を、10万円なら10万円の生活を、あるものだけでこなしたらいいと思いますよ。

その生活の中でも、やりがいは見つけられると思います。

質問4:自分では管理職が向いていると思うのですが思っているような仕事を回されません。愛嬌を振りまくタイプではないので、周りから煙たがられているというのはわかるのですが「好き嫌い」は本来仕事には関係ないはずです。どうしたらいいでしょうか?

高部さん:意外に思うかもしれませんが、傭兵はアピールが大事です。

「俺はこれができる! あれもできる!」

と自分の有用さをアピールします。僕は戦場で写真をたくさん撮っていますが、それもそういう場で、

「自分にはこれだけのキャリアがあるんだ!!」

とアピールするためです。

もちろん、口だけ達者で、中身が伴っていない人はいます。でもそれはあなたとは関係ないことなので、あなたは自分の有用性をアピールするべきだと思います。管理職の仕事が欲しいなら、管理職の仕事が欲しいとアピールしましょう。

人は下士官タイプと将校タイプに分けられる

人はおおまかに下士官タイプと将校タイプに分けられると思います。

(筆者補:下士官=兵と士官の間の官。旧陸軍では曹長、軍曹、伍長、将校=部隊指揮官の任がある士官を指す場合が多い)

つまり、現場タイプとデスクワークタイプですね。現場タイプの人が「将校になりたい」と思うと、よくない結果になりがちです。

軍隊の中でもわかってない人は多かったです。将校の資質がないのに、大学から急に将校になる。部下の手柄を全部自分のモノにしちゃうような人ですね。人望は全くないタイプ。

でもそういう人は結果的に殺されたり、不幸な結果になるケースが多いです。

サラリーマンなら殺されることはまずないでしょうけど、向いていない仕事を無理やりやっても、ろくなことはないと思いますよ。本当に自分が、管理職が向いているのか、もう一度考えてみましょう。

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