ワークマン「職人を軽視してる」批判は本当なのか 企業イメージの変化に、消費者が追いついてない
柳井正率いるファーストリテイリングが運営するアパレル「ユニクロ」は1984年、広島県に誕生。当初は西日本を中心に拡大していたが、徐々に規模が拡大し、現在では国内外合わせて2434店舗にも及んでいる。
このユニクロの快進撃を支えたのが、その卓越したブランディングだ『ユニクロ 世界一をつかむ経営』で月泉博は、2009年、フリースが流行した頃には「ユニバレ」という言葉が流行したことを挙げ、若者たちの間で着ている服が「ユニ」クロ製だと「バレ」ることへの恥ずかしさがあったという。
このように、ブランドイメージ的には「安かろう悪かろう」のイメージを持たれていたユニクロだが、2022年に実施された第79回JNNデータバンク定例全国調査によれば、現在のユニクロの好感度は全国4位、明らかにこの10年と少しでユニクロのブランドイメージは上がってきた。
ユニクロのリブランディング戦略は、製品の品質向上からロゴまで多岐にわたるが、筆者の考えによれば、その変化を支えたのは、2つの「空間」だと思う。それが、「メディア空間」と「店舗空間」だ。
ユニクロのリブランディングを支えた2つの「空間」
メディア空間とは、CMやネット上での広告をいかにうまく使うのか、ということである。
我々がもっとも企業についてのイメージを持つのが広告だ。ユニクロは、もともと2009年に売り始めたフリースのCMでそのイメージを大きく変えた。月泉によれば、それまでのユニクロは「時々けったい(関西弁で”風変わり”の意)な広告をする、西のほうからやって来た衣料ディスカウンター」というイメージだったのが、この洗練されたCM以後、ユニクロのイメージが変化したという。
その後も同社はウェブとも連動した意欲的な広告を制作しており、国際的な広告祭でも受賞を繰り返すなど、メディア空間におけるブランドイメージ向上を巧妙に成し遂げた。
もう一つの空間は、店舗空間である。「ユニクロ」と聞いてどのような店舗を想像するだろうか。建物全体がガラス張りになっていて、店内の様子がよく見えるユニクロが思い浮かぶ人が多いのではないだろうか。
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