「ガストに行けない」低賃金にあえぐ介護職の実態 「年収が低く結婚できるのかわからない」

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美幸さん夫婦の世帯年収は約500万円。日本の1人当たりの平均年収458万円とそう変わらない。学資保険で子ども1人当たり200万円の学費を準備しているが、私立の高校や大学に行くとなれば賄えなくなる見込みだ。

「ほかの家の子が当たり前のように通う塾や習い事はぜいたくで、とても行かせられない」(同)

8人に1人がマタハラ被害

全国労働組合総連合(全労連)による「介護労働実態調査」(2019年)では、介護職の女性の8人に1人がマタニティーハラスメント被害を訴え、妊産婦が免除されるはずの夜勤や当直で4割が免除されなかった。

結果、美幸さんのように正職員では働けなくなり家計が逼迫するケースが後を絶たない。

子育てのため非正規雇用になった小池理恵さん(仮名、41)も、「もともと家計が厳しいのに、物価高でさらに大変です」と日々、節約に余念がない。

理恵さんは関東地方の介護施設で妊娠中や育休明けに夜勤が免除されず心身を壊し、数年前から訪問介護などでパート勤務するようになった。

今はグループホームの夜勤だけ週に1回程度、1回1万5000円で行う。月収は約8万円。病院勤務の看護師の夫の給与は手取り24万〜26万円で、2人の収入では赤字寸前だ。

家族は皆ラーメンが好きだが、物価が上がってからは外食を控えてインスタントラーメンを買って家で作る。

「サッポロ一番 みそラーメン」や「マルちゃん正麺」は1袋5食入りで500円前後するため、地元スーパーで最も安い1袋5食入りで169円のものを買う。

カゴメのケチャップやキユーピーのマヨネーズは買わず、プライベートブランドなどの安いものでいい。カップラーメンは税込み88円の特売日に買い込む。

「子どもにひもじい思いはさせたくない。安いものでもたくさん食べられるようにしています」

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