運転歴30年タクシー運転手の脳が成長した理屈 「加齢=記憶力の低下」は脳科学的には間違い

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何もしなければ記憶力や新しいことを学習する能力、あるいは注意・集中力は、加齢とともに衰えていきます。しかし、物事の全体像を概観し、把握する力や、考えをまとめ、再構成する能力などは、歳とともに成長していくのです。

それは、歳とともに、知識のストックが増えていくからです。新しく入ってきた情報を既に保有している知識のストックを参照してそれと比較したり、知識のデータベースを活用したりしながら、より正しい判断を下すことができます。

歳とともに衰えゆく能力を補完

特に、まとめ・整理する能力、全体を俯瞰する能力、関連づける能力。こうした能力は、年齢とともに伸びていきます。

『記憶脳 』(サンマーク出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

一方で、先に「記憶力は衰えない」といいましたが、特に脳を使う活動もせずに普通の生活をしていると、記憶力や学習能力はドンドン衰えて、若い人に太刀打ちできなくなるのが普通です。

あなたが若い人たちと競い合う場合、若い人たちが得意とする「記憶力」で勝負するのか、若い人が苦手とする「まとめ・整理する能力」で勝負するのか。どちらが有利でしょうか?

歳をとることで伸びていく「大人の能力」というのは、あまり知られていません。こうした「大人の能力」を活用することで、歳とともに衰えゆく能力を補完し、それどころか若者に圧勝できる仕事力を発揮することができるのです。

樺沢 紫苑 精神科医、作家

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かばさわ しおん / Shion Kabasawa

1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴの イリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。『学びを結果に変える アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)、『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など著書多数。

 

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